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Channel: 京に癒やされ
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中世トリビア(その3)

~世の中も、神も仏も甘くない~  今回も『沙石集』(岩波の日本古典文学大系)に基づくエピソードを紹介するが、この『沙石集』という本自体が中々ユニークである。前2回を読まれた方はもうお分かりと思うが、下風(げふう=おなら)の話題も平然と載せて僧侶を笑い飛ばしているし、仏教説話と言われながら仏教界批判(決して仏教批判ではない)も随所に見られる。...

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中世トリビア(その4)

~いい加減が良い加減?~  今回も岩波の日本古典文学大系版で『沙石集』のエピソードを紹介していこう。  本日のお話は「いい加減なことを言っても、それが現実のものになれば、いい加減ではなくなる」ということ。  『沙石集』巻第2ノ1より。  世の中にはいい加減な坊主がいて、医学の知識もないのに色々な人たちから病の相談を受けていた。この坊主の答はいつも同じで 「藤のコブを煎じて飲め」...

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中世トリビア(その5)

~精進どころか肉も食らう~  今回も『沙石集』から面白いエピソードを拾うことにするが、下風といった尾篭な話やいい加減な坊主といった失礼な話からは離れて食べ物の話にしよう。  巻2ノ9より。  病気になった僧のために薬として肉を食べさせる必要があった。ところが肝心の肉が手に入らない。  そのとき、この僧を信じていた女性信者が自分の股(もも)の肉を切ってこの僧に食べさせたら病気が治った。...

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中世トリビア(その6)

~坊さんだって人間だ、とは言うものの~  今回もまた『沙石集』を取り上げるが、この本(興味のある方は岩波の日本古典文学大系本でお読みください)には「これのどこが仏教説話か?」という話も収録されている(ただし小学館版などではカットがあるので要注意)。 国立国会図書館近代デジタルライブラリー新選沙石集 浜口恵璋 校訂 http://kindai.ndl.go.jp/...

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中世トリビア(その7)

~仏様でもどうにもならない事がある~  前回では坊さんにだって恥を知らない奴とか悪いことをする奴がいるというエピソードを紹介した。今も昔も大して変わっていないということで、嘆く人もあれば安心する人もいるだろう。  むしろ安心なのではないか。...

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中世トリビア(その8)

~死んで花実が咲くのだよ~  昔から「死んで花実が咲くものか」と言うが(最近では言わないのかな?)これは往年のドラマとか時代劇では自殺を思いとどまらせるときの決まり文句であった。  現代でも自殺(これも「自死」と言ったりするようになっているが)をどう防ぐかは宗教的な課題にもなっているようにお見受けする。  ところが、である。ここに私が「?」と思うことがある。...

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中世トリビア(その9)

~善も悪も上半身も下半身もある~  岩波書店の日本古典文学大系に収録されている『沙石集』は、ポルノ映画にたとえれば「ノーカット無修正版」である。抹香臭い話ばかり残して面白い話をばっさりカットしている小学館版とはテキストとして雲泥の差がある。この連載を読んでネタ本である『沙石集』も読んでみたくなった方は、迷うことなく岩波版を手に取っていただきたい。...

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中世トリビア(その10)

~嘘も方便、エロも詭弁も方便~  さて、前回では人間の本性には善もあれば悪もある、そして上半身もあれば下半身もあるという話をした。  さらに『沙石集』には「最近の坊主は形ばかりで仏法も知らず、布施ばかり取る」(巻第6ノ9)という批判も載っているのも既にご紹介したと思う。  そこで同書巻第6の1にあるエピソードである。  子供に先立たれた家のお葬式に行った坊主が説法で...

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中世トリビア(その11)

~女性の権利は守られていた~...

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中世トリビア(その12)

~仏法でも当てのはずれることがある~  世の中は、「当てははずれるもの、期待は裏切られるもの、間違いは気付いたときには遅いもの」の三重苦である。今も昔も変わらない。  そこで『沙石集』からそのエピソードを取り上げてみよう。  巻第7の2である。  ある百姓の妻の夢に死んだお舅さんが現れて 「明日の狩で私の命が危ない。この家に逃げてきたら助けてくれ」 と言う。...

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中世トリビア(その13)

~神主も仏を愛でる日本かな~  日本人は大らかである。生まれたら神社でお宮参り、年頃になったらキリスト教の教会で結婚式を挙げ、死んだらお寺でお葬式。一生のうちに三つの宗教をやってしまうのだから。  いや、一生なんて長いスパンで見る必要はない。年末になれば12月24日はクリスマスでキリスト教、大晦日は除夜の鐘で仏教、一夜明ければ初詣で神道と、僅か一週間で三つの宗教を駆け抜けるのだ。...

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中世トリビア(その14)

~過ぎたるは及ばざるがごとし~  前回のエピソードに登場した坊さんは欲の皮を突っ張らかし過ぎて大しくじりをやったわけだが、まあ、何事もやり過ぎると碌な事はないということだろう。  『沙石集』には同様の、しかももっとはっきりとした話も収録されている。  巻第8の13。  ある山寺に出家を希望する女性がやって来た。師となる僧が「尼としての名をつけよう」と言うと、「名前はもう自分で決めてきた」と答える。...

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中世トリビア(その15)

~勝てば官軍の世界~  8月ということで戦争の話題にしようかとも思ったのだが、昨年は「戦争と映画と」というかなり長い連載になってしまい、一昨年は「野末の十字架」という昭和17年に発売されたレコードが事実上の反戦歌だったと指摘し、その前は「まぼろしの京都空襲」であった。...

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中世トリビア(その16)

~ちっとも「有難く」ないことども~  今回も『沙石集』からネタを拾う。  巻第8の23。  藤原頼道が平等院を建立したとき、御堂供養の導師が 「この御堂を造ったため地獄に落ちるとは」 と嘆いた。  もちろん、その場にいた者は興醒めになってしまい、何故そんな事を言ったのか理由を問うと、その導師が答えて曰く...

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中世トリビア(完結編)

~俗は信じて多く施せ。僧は節して少なく取れ~ 沙石集(しゃせきしゅう / させきしゅう) 鎌倉時代中期、仮名まじり文で書かれた仏教説話集。十巻、説話の数は150話前後。無住道暁が編纂。弘安2年(1279年)に起筆、同6年(1283年)成立。...

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五郎兵衛さんの京都(その1)

~落語の元祖から時代を見てみよう~  今回から新シリーズです、ってまたまた延々と続くのかと辟易なさる方もおられましょうが、お付き合いいただければ幸いです。  今度は抹香臭い話は一切無しで、落語の元祖とも言われている露の五郎兵衛を取り上げて、五郎兵衛さんが活躍した当時の京都がどんな所だったかを検分する次第。ネタ本は岩波書店が出した日本古典文学大系の『笑話集』に収録されている『軽口露がはなし』である。...

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中世トリビア(その9)

~善も悪も上半身も下半身もある~  岩波書店の日本古典文学大系に収録されている『沙石集』は、ポルノ映画にたとえれば「ノーカット無修正版」である。抹香臭い話ばかり残して面白い話をばっさりカットしている小学館版とはテキストとして雲泥の差がある。この連載を読んでネタ本である『沙石集』も読んでみたくなった方は、迷うことなく岩波版を手に取っていただきたい。...

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中世トリビア(その10)

~嘘も方便、エロも詭弁も方便~  さて、前回では人間の本性には善もあれば悪もある、そして上半身もあれば下半身もあるという話をした。  さらに『沙石集』には「最近の坊主は形ばかりで仏法も知らず、布施ばかり取る」(巻第6ノ9)という批判も載っているのも既にご紹介したと思う。  そこで同書巻第6の1にあるエピソードである。  子供に先立たれた家のお葬式に行った坊主が説法で...

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中世トリビア(その11)

~女性の権利は守られていた~...

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中世トリビア(その12)

~仏法でも当てのはずれることがある~  世の中は、「当てははずれるもの、期待は裏切られるもの、間違いは気付いたときには遅いもの」の三重苦である。今も昔も変わらない。  そこで『沙石集』からそのエピソードを取り上げてみよう。  巻第7の2である。  ある百姓の妻の夢に死んだお舅さんが現れて 「明日の狩で私の命が危ない。この家に逃げてきたら助けてくれ」 と言う。...

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